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南アフリカ ワイルドライフに出会う
2016.11.21
DISCOVERY

南アフリカ ワイルドライフに出会う

早朝、日の出とともにゲームドライブ(※1)へロッジを出発。南アフリカは、夏は気温が40度近くまで上がり、冬は10度未満と、意外にはっきりと季節が分かれる。また1日のうちでも、夜と日中の寒暖差は大きい。ゲームドライブは、オープンカーに乗って行くため、朝はしっかりと防寒着を着込む。ロッジによっては、分厚い防寒着やホカホカの湯たんぽが用意されているところもある。

ゲームドライブは通常、日中のもっとも暑い時間を避け、日の出後の朝と夕方に行く。日中は動物たちも日陰にいることが多く、見つけ難いからだ。また野生動物は、保護区のなかを自由に行き来しているため、どこで遭遇するかわからない。ロッジのゲートを出た途端、大きなライオンに遭遇ということも。野生動物に遭遇したときは、決して大きな声を出してはいけない。大きな音に驚いた動物は、逃げたり、逆に襲ってくる恐れがあるため、車のエンジンも切り、動物たちを驚かさないように息をひそめて観察する。ゲームドライブ中は、ガイドの指示が絶対である。

サファリでは、BIG5と呼ばれる動物がいる。それは、大型動物の、ライオン、ヒョウ、サイ、バッファロー、ゾウである。それら全てに会えるかは、運次第であり、まさにBIG5を一頭ずつ見つけていくことがサファリの醍醐味なのだ。

ゲームドライブには、トラッカーといわれる野生動物の生態に詳しい専任のガイドがつき、目の前に現れる動物の説明や、より多くの種類を見られるようにと案内してくれる。彼らは、足跡や糞からどの動物がいつ頃ここを通ったかを読み取る。その知識の豊富さと正確な分析には、ただただ驚かされる。

この時間に集まりやすいという水場に向かうと、トラッカーの予想通り、そこにはたくさんの動物たちが集まっている。沼のような水たまりでは、カバたちが顔の上半分だけを覗かせている。その傍らでは、子連れのバッファローの群れが。彼らは、大きな体を器用に屈めて喉を潤している。川は、乾期になるとワジ(※2)となり、道として利用される。草原ではこういった水場がたいへん貴重で、限られた水を求めて動物たちが集まってくる。

ゲームドライブの合間には、見晴らしの良いポイントでコーヒーブレイクが待っている。何もないブッシュの中で、手際よくテーブルがセットされる。きちんと掛けられたクロスが何だか嬉しい。コーヒーブレイクでは、シャンパンやワイン、簡単なカナッペも用意される。キリリと冷えたシャンパンを片手に、朝日に照らされるアフリカの大草原や、地平線の彼方に沈む夕日を眺めていると、何とも言えない贅沢な時間を過ごしていることを実感する。

 

南アフリカのサファリは、ただ野生動物を見るだけではなく、大自然のなかで過ごす優雅な時間も与えてくれる。一口にサファリといっても、ゲームドライブ以外にも、ブッシュの中をレンジャーと歩くツアーや、象の高い背に揺られながら悠々と見下ろすサバンナツアーなど、各ロッジによって様々だ。

ガラスも檻もない状態で間近に見る、生の野生動物たちの迫力。見渡す限り広がる雄大なアフリカの大自然。南アフリカでのサファリ体験は、それを体験した者の人生観を変える経験となるかもしれない。少なくとも、あなたの人生の記憶に残る旅になることは間違いない。

 

※1 多種多様な生き物が生息している自然保護区の中を、野生動物を探して、ゆっくりドライブすること。
※2 枯れた川

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