magellan beyond immagination

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The Completed Soneva Jani
2024.03.01
HOTELS, BEACH

The Completed Soneva Jani

WRITTEN BY HIROSHI.K

ソネバがモルディブにもう一つのリゾートを誕生させたことを知って向かったのは、201612月のことだった。
25ある客室のすべてを水上ヴィラとしてオープンしたソネバジャニは、それまでに見て来たモルディブのどのリゾートとも明らかに異なる斬新かつユニークなランドスケープで衝撃を受けたことを覚えている。島先から伸びた桟橋の左右には、ソネバらしいナチュラルウッドで組まれた水上ヴィラが枝葉のように連なり、パブリックスペースの集合体であるギャザリングと名付けられた水上に浮かぶ巨大な建築物は、まるで映画ウォーターワールドを彷彿とさせるインパクトでとりわけ印象的だった。
当時宿泊したヴィラは島の北側に位置するできたばかりの水上ヴィラで、ソネバらしい滞在を十分楽しませてもらったものの、次のフェーズに向けて工事中だったこともあり島の全容を伺い知ることは出来ず、ましてやプロジェクトの完成形は知る由もなかった。

あれから6年の月日を経て、20233月に再びソネバジャニを訪れる機会を得た。そして、二度目の滞在となるソネバジャニは、想像を遥かに超える圧倒的なスケールで迎えてくれたのだった。
ソネバフシからスピードボートで1時間、到着したのはサウスジェティと呼ばれる島の南側に伸びた水上ヴィラ群の船着き場だ。2016年にはまだなかったエリアで、島へと続く桟橋の左右に水上ヴィラが連なっている。
バトラーによって案内されてチェックインしたのは、サウスジェティからほど近い1ベッドルームウォーターリザーブの1室。浅瀬のラグーンに建つ2階建ての550平方メートルの部屋には、ベッドルームとリビングルーム、屋外バスタブとシャワー、キッチンに加えて13メートルものプライベートプールと海面へと滑り落ちるウォタースライダーが付いていた。ログハウスにも似たソネバらしいナチュラルテイストが香るデザインで、素足に伝わる木の感触が心地よく感じた。

環礁に連なる5つの島によって構成されるソネバジャニは、150エーカーの広さを持つメドゥファル島が北端と南端に伸びた水上ヴィラ群を繋ぐ形で中央に位置している。そのメドゥファル島を挟んで北端から南端までの長さは約6キロにも及び、滞在中の移動は一人に一台与えられた電動自転車が頼りとなった。
そして、リゾート内のもう一つの移動手段が、南北のジェティを行き来するスピードボート。アプリを利用してバトラーに依頼すれば何時でも迎えに来てくれ、細長いメドゥファル島を横目に対岸のジェティまでラグーンを滑走してくれる。ソネバジャニのスケールの大きさを実感できる何ともダイナミックな移動手段である。

到着早々にベアフットガーディアンと呼ばれるバトラーに島内を案内してもらうと、6年前に訪れた印象とは全く異なるリゾートの全容が明らかになった。ソネバフシ同様に、ソネバジャニにも遊び心に満ちたわくわくさせてくれる施設がふんだんに用意されていたのだった。

サンセットドルフィンクルーズで、イルカを追ってのラグーンと外洋のクルーズを楽しんだ後は、アジアンキッチンでのディナーを満喫。アジアンキッチンは、ソネバジャニのシンボルとも言えるギャザリングの中にあるレストランのひとつで、タイ料理をメインとしたアジアンメニューが楽しめる。

食事の後は、同じギャザリング内にあるチョコ―レートルームの“So Guilty”、そしてアイスクリームルームの“So Cool”へ。バラエティに富んだチョコレートとアイスクリームがところ狭しと並べられた空間は、ゲストが好きな時に好きなだけ楽しむことができるソネバらしい演出で、まるでおとぎ話の中に居るようにさえ感じる。

カクテルやタパスメニューが楽しめる“The Gathering Bar”、朝食レストランの“Down to Earth”5人のゲストの為のシェフズテーブル“So Engaging”、水上のオープンテラスダイニング“Overseas by Mathias Dahlgren”、これらは全てギャザリング内のダイニングで、短い滞在ではかえってもったいないほどの充実ぶり。宿泊したサウスサイドのリトリートからギャザリングまで移動距離はあったものの、その時間すら楽しく感じさせてくれたのはソネバジャニだからこその魅力に思えた。

翌日のランチはサウスビーチの蟹料理専門レストラン、“Clab Shack”のガーリックで炒めたマッドクラブの肉厚な身に舌鼓を打ち、島の高台に位置するウェルネスセンター“Soneva Soul”でホリスティックなスパトリートメントに癒され、夜は“Director’s Cut”で、寿司や天ぷらといった和食メニューを満喫。
海上に設置された巨大なスクリーンに映される映画を見ながらの食事は何ともユニークな体験で、想像を越えた発想とスケールの大きさに酔いしれたひとときだった。

ビーチヴィラが中心の緑豊かなソネバフシに対して、ソネバジャニは全58室のうち54室が水上ヴィラ。灼熱の太陽の下、見渡す限りのラグーンの水色とホワイトサンドビーチのコントラストが美しく、滞在中はずっと潮風と波音を感じながら過ごした。
かつてこれほど海を身近に感じるリゾートはあっただろうか。そう考えると、ソネバジャニはソネバならではの創造力とユニークネスが結実した唯一無二のウォーターリトリートなのだと感じ、満足感と共に強いインパクトを与えてくれた。

今後、よりいっそう世界中の経験豊富なアイランドトラベラーが注目するリゾートになるだろう。

そして次なるモルディブへの旅は、モルディブ最西端ハーダール環礁に誕生したソネバシークレットへと続く。

 

 

 

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