
アマン スリランカ ジャーニー
スリランカに佇む2軒のアマンは、それぞれ異なる魅力を持ち、地域の文化と自然を尊重しながら旅人を迎え入れます。
今回は、その両方を巡り、忘れがたい体験へと誘う旅をご提案いたします。

アマンガラ
歴史あるゴール旧市街の城壁内に佇む「アマンガラ」は、かつて「ニューオリエンタルホテル」として知られた名門ホテルです。1684年、オランダ東インド会社により建設され、オランダ軍司令部やイギリス統治下の兵舎としての役割を経て、1865年にホテルとして開業しました。19世紀には欧州からの旅人の社交場として栄え、2005年にアマンが受け継ぎ、現代の洗練と歴史が調和する「アマンガラ」として生まれ変わりました。
重厚なアンティーク家具や高い天井、磨かれたチーク材の床が植民地時代の気品を漂わせ、喧騒から離れた静謐な空間で、心からの癒しと上質な時間をお過ごしいただけます。




本格アーユルヴェーダ
アマンガラで特に体験してもらいたいのは、本格的なアーユルヴェーダです。
スリランカ伝統の水浴文化とインド発祥のアーユルヴェーダが融合したスパは、キャンドルが灯る小部屋や、美しいアーチと高い天井を持つ空間。やさしい香りと心地よい音楽に包まれながら、深いリラクゼーションへと導きます。
専門医による体質診断(ドーシャチェック)に基づき、個々の体調に合わせた施術・食事・生活習慣が提案されます。「シロダーラ」や「アビヤンガ」、「ピンダ・スウェダ」などの施術により、心身のバランスを整え、免疫力や美肌効果が期待できます。スパには、伝統的な沐浴文化を現代に再現した「ハイドロセラピースイート」も完備。温冷のプランジプール、スチームルーム、サウナが備わり、貸し切りでのご利用が可能です。施術前には45分間、ここでゆったりと体を整えることをおすすめします。
男性には、アマンガラ伝統のバーバー体験もご用意。ニューオリエンタルホテル時代から受け継がれるストレートレザーによる髭剃りは、熟練の技が光る格別の時間。温かいタオルとともに清潔感あふれる仕上がりをお届けします。

アフタヌーンティーのひととき
午後の時間には、アマンガラ自慢のアフタヌーンティーをお楽しみください。セイロンティーをはじめ、ルイボスヤラやハンドゥヌゴダ・ホワイトなどの希少な紅茶やハーブティーをご用意しております。
美しく配されたシルバースタンドには、サンドイッチ、タルト、ケーキに加え、サクサクのスコーンと濃厚なクロテッドクリーム、季節のジャムを添えた「クリームティー」スタイルもご堪能いただけます。アマンガラならではの上質な紅茶文化を、優雅な雰囲気とともにご体験ください。
ティータイムのロケーションは、クラシカルなザール(ラウンジ)、日差しが心地よいヴェランダ、庭園を望むライブラリーテラス、さらにご希望に応じて、フォートの赤い屋根が連なる風景を一望できるサンセットバルコニーでもお楽しみいただけます。
伝統ロティディナー&文化ショー
より特別な夜を過ごしたい方には、プライベートアイランド「アンバラマ」での伝統ロティディナーがおすすめです。「アンバラマ」は田園地帯に囲まれた、まるで小さな島のようなプライベート空間。夕暮れ時、空が黄金から深い藍へと移ろう中、キャンドルと焚き火の灯りが幻想的な雰囲気を演出します。この体験では、専属のシェフが目の前でスリランカ伝統のロティを焼き上げ、香ばしい香りとともに出来たてを提供。南部特有の火を使った文化ショーでは、伝統舞踊の迫力とリズムに心が躍ります。
また、キッチンの見学や、実際に料理を手がける調理体験も可能。地元の食文化に触れ、五感を通して学びながら、丹精込めて仕上げられた一皿一皿を静かに味わうひとときは、心に残る特別な思い出となることでしょう。

アマンウェラ
スリランカ南部タンガッラ近くの海岸に広がる「アマンウェラ」は、37エーカーのヤシ林と黄金の弓なりのビーチに囲まれた静寂のリゾート。建築家ジェフリー・バワの美学を受け継ぎ、土地に根差した素材とモダニズムが融合するケリーヒル建築が特徴です。
各スイートには、プライベートプールと広々としたテラス。目の前に広がるインド洋の景色を独り占めにしながら、心ほどけるひとときを過ごすことができます。朝は、心地よい波音に耳を傾けながらのヨガで静かに一日をスタート。海辺のエネルギーに身を委ね、心身を穏やかに整えます。
周囲には、サーフィンやホエールウォッチング、漁への同行といったマリンアクティビティはもちろん、神秘的な洞窟寺院や歴史ある仏教遺跡、国立公園の自然散策など、スリランカの文化と大自然を五感で味わう体験が待っています。




天空の石窟寺院─ムルギリガラ・ロックテンプル
スリランカ南部、緑深い森の中にそびえる巨岩「ムルギリガラ・ロックテンプル」は、標高約210メートルの垂直に近い岩山の中腹に築かれた仏教寺院です。古代より続く信仰の聖地であり、歴史と神秘に満ちた空間が広がります。
500段を超える石段を登る道中には、段状に設けられた複数のプラットフォームが点在し、それぞれに特色ある石窟寺院が。内部には、極彩色の壁画、巨大な涅槃仏、荘厳な仏像が安置され、数百年にわたり僧侶たちにより守られ続けてきた仏教美術が今も息づいています。登頂にはやや体力を要しますが、登り切った先に広がる景色は格別。特に夕方の訪問がおすすめで、山頂からは夕陽が岩山越しに地平線を染める壮大な風景を一望できます。静かな風が吹き抜ける頂上で過ごすひとときは、まるで時間が止まったかのような静寂に包まれる体験となるでしょう。
ムルギリガラは、歴史、信仰、そして自然の美しさが融合する、南スリランカ屈指のパワースポット。観光を超えた、“感じる旅”がここにはあります。

野生動物の楽園─ウダワラウェ国立公園サファリ
ウダワラウェ国立公園は、スリランカ南部の大自然に抱かれた、アジアゾウの生息地として知られる国立公園です。広さ約3万ヘクタールにも及ぶ園内では、100頭以上のゾウが野生のままに暮らしており、水辺を歩く姿や仔象が遊ぶ微笑ましい光景を間近に観察できます。ゾウのほかにも、水牛、ワニ、ジャッカル、マングース、孔雀、サルなど多彩な動物が息づき、運が良ければイーグルやサイチョウといった希少な野鳥とも出会えます。季節によっては、乾いた水辺に集まる動物たちを一度に観察できる絶好の機会も訪れます。
ホテルからは車で約90分。現地では専用ジープに乗り換え、熟練のレンジャーが同行。動物たちの習性や自然の成り立ちを丁寧に解説しながら、安全かつ深く自然を満喫できるよう導いてくれます。


ツアーの締めくくりには、公園の自然に囲まれた静かな場所でアマンのスタッフがおもてなしするピクニックをお楽しみいただきます。
事前にお選びいただいたスリランカ料理または洋食のランチボックスと共に、フレッシュジュース、そして上質な紅茶やコーヒーをご堪能ください。
大自然の中でいただくランチは格別。川のせせらぎ、鳥のさえずりをBGMに、心と体がゆったりと解きほぐれていく、忘れがたい時間となるでしょう。

ラグーン・フローティングラウンジ
静寂に包まれたマウェララグーンは、朝焼けや夕暮れ時にふさわしい、詩的なクルーズ体験の舞台。アマンウェラの「フローティングラウンジ」では、ゆったりと水面を進む特別なひとときをご用意しています。
シャンパングラスを片手に緑豊かな湖畔を進めば、ペリカンやカワセミ、そして水面を滑るように飛ぶ野鳥たちが優雅な姿を見せてくれます。
時には岸辺の木々でじゃれ合うサルの親子に出会えることもあり、自然のままの愛らしい情景に心が和みます。
ラグーンの水面は、時間とともに刻々と変化する空の色を映し出し、幻想的な表情を見せます。ときにまるで絵画の中に入り込んだかのような、静かで美しい時間が流れます。


ハンバントタ地区最大のラグーンであるマウェラは、アマンウェラから車でわずか10分。
体験時間は約90分間で、出発は早朝6時30分または夕暮れの17時がおすすめです。特に夕方のクルーズでは、日没とともに夜の狩りに飛び立つフルーツコウモリのダイナミックな飛翔を目にするチャンスもあります。
自然と寄り添いながら過ごすこの穏やかなクルーズ体験は、自然を愛するすべての方にとって、心に残る忘れがたい時間となることでしょう。

歴史あるコロニアル様式と自然が調和するアマンガラと、陽光と海に包まれたアマンウェラ。このふたつの地での滞在は、心に深い安らぎをもたらす“静けさ”そのもの。
美味しいお食事、温かなスタッフの笑顔、心を癒す美しい風景、そして何もしない贅沢。
それらすべてが日常の喧騒を忘れさせ、ありのままの自分に還る特別な旅へといざないます。
今こそ、自分をととのえる旅へ。
こころが静かに洗われる──そんな時間が、あなたを待っています。
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