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~Ring of Fire~ Aqua Bluで航くアジア最後の秘境
2023.04.28
ACTIVITY, DISCOVERY

~Ring of Fire~ Aqua Bluで航くアジア最後の秘境

世界最大の群島国家であるインドネシア。5,110kmと東西に長く連なり、17,504もの島々で構成されるこの島嶼国家を旅する最適解の一つ、それがエクスペディション(探検)クルーズ「Aqua Blu」です。

“アジア最後の秘境”とも言われ、生物多様性が極めて高く“海のアマゾン”とも称されるコーラル・トライアングルの中心部・東インドネシアを冒険すべく、Aqua Bluに乗船してきました。

Aqua Bluは総トン数1,140トン、5階層からなり、サービスレシオ(乗客定員を乗組員数で割った、乗組員1人当たりの乗船客数)は1.2人と、高いサービスレベルを誇っています。
15あるキャビンは13のカテゴリに分かれており、明るく広々として機能的なつくり。バスタブのあるキャビンもあれば、窓の大きさ・形、キャビンの広さも同一カテゴリの中で異なり、好みによってチョイスする事ができます。
Lower Deckのキャビンに滞在しましたがエンジン音などは全く聞こえず、揺れをコントロールする最新技術のスタビライザーを搭載しているため、大型の船ではありませんが揺れを殆ど感じることが無く、驚きでした。
床はぴかぴかに磨かれたフローリングや肌触りの良いふかふかとしたマットが敷かれており、乗船時に靴を預けたら“No shoes”のAqua Bluライフの始まりです。

クルーズライフを彩る食事。Aqua Bluでは、乗船した他のゲストの方々とひとつのテーブルを囲んで食事を楽しみます。
オーストラリア人シェフ、ベンジャミン・クロスが監修したヨーロッパ、地中海料理からインスピレーションを得たインドネシア料理は、小型のクルーズ船で振る舞われているとは思えないほど洗練されています。
48時間熟成のビーフショートリブレンダン、手釣りの新鮮な魚やエビをバリ島のサンバルで焼いたもの、そして日本食にインスピレーションを受けた新鮮なハマチの刺身料理!
ローカルの新鮮そのものの食材を使った独創的な料理を味わいながら、さまざまな国籍のゲストとの語らいを楽しむ…。和気藹々とした空気で満たされる食事の時間は、Aqua Bluに乗船する楽しみの一つと言えるでしょう。

Aqua Bluには魅力的な3コースが用意されています。

コモドドラゴンでも知られ1991年にユネスコの世界遺産に登録された「コモド国立公園」を巡るワイルドライフに特化したコースと、水の透明さを表す指標・“透明度100とも言われ世界中のダイバーの憧れであるラジャアンパットを航く、驚異の海を満喫するコース。
そして今回、はるかなる大航海時代、香辛料貿易の舞台となったスパイス・アイランドの歴史と文化に深く触れる7日間のコースに乗船しました。

 

<Spice Islands 文化&歴史探訪>

フェルディナンド・マゼランなど、旧世界の有名な探検家たちが探し求めた香辛料。
世界4大スパイスと称されるうち、クローブはモルッカ諸島、ナツメグはバンダ諸島でしか産出されなかったと言い、当時のヨーロッパでは金よりも価値がありました。
プラウ・ランというスパイス・アイランドの僅か4平方キロの島が、今のマンハッタンと等価値として交換されたというから驚きです。
スパイス・アイランドには脈々と受け継がれる独自の文化や、複雑に織り重なった西洋との歴史、気の遠くなるような時間をかけて自然が造り上げた風景が万華鏡のように広がっています。

バンダ諸島で唯一の人口集中地となるバンダ・ネイラは、スパイス・アイランド特有の文化が最も色濃く残る島です。
そのユニークさは、船が島へ入港する瞬間から鮮やかに目の前に現れます。
島と島に挟まれた湾を進むAqua Bluの両脇をコラコラ族の2艘のカヌーが並走し、漕ぎ手たちが勇壮な歌声で寄港者たちを歓迎します。
遠い昔から今のこの瞬間まで綿々と繰り返されてきた歓迎の儀式は、コラコラ族の人々のあたたかい笑顔と歌声に彩られ、とても心に響きました。

バンダ・ネイラは美しいヨーロッパ風の街並みや抜群の景観を誇る丘の上の要塞など魅力の尽きない島であり、このコースのハイライトのひとつです。

イタリアのアルバ産白トリュフと同様に、バンダ産のナツメグは世界最高級のスパイスとして認められています。何世紀にもわたって続く世界最古のナツメグのプランテーションがバンダ・ネイラにあり、農園に一歩足を踏み入れるとそこは柔らかく光り輝く森の中で、こんなにも平和的で美しい農園があるものかと溜息が漏れるほどでした。

ナツメグの木々の下にセッティングされたテーブルで、栽培されたスパイスをつかったシナモンティーやアーモンドケーキを頂きながら、植民地時代の農園の歴史や収穫についての話を伺います。日本人も決して無関係ではない長い植民地時代の物語を知ると、やさしい甘さのお茶やお菓子に深い味わいが加わったように感じられます。高く高くそびえる、樹齢数百年と言われるアーモンドの木の心地よい木陰で、この農園が経てきた時の長さに思いを馳せました。

バンダ・ネイラでの感動的な体験と言えは、港を見下ろす丘に聳えるベルギカ要塞で催されたサンダウナーも忘れることができません。
驚くほど赤くまるい夕陽が、活火山であるグヌン・バンダ・アピの山の端に近付き、刻々と変化してゆく空と雲の色彩は信じられないほど美しく、言葉を忘れてうっとりと見入ってしまいました。
夕陽に向かってセッティングされたベンチでサンセットカクテルを味わいながら、地元の若者が演奏する音楽に耳を傾け、時には一緒にダンスを楽しみ、島に生きる人々と共に過ごした時間はとても心温まるものでした。

毎日催されるサンダウナーはクルーズライフの楽しみのひとつで、無人島での“Aqua Blu ビーチクラブのセッティング、2艇のテンダーボートを並べて海上のバーを作り出すなど、趣向の凝らされたものばかりです。

<驚異の海・バンダ海で未知との遭遇>

Ring of Fire、環太平洋火山帯と呼ばれるエリアに位置するインドネシアは、何百年と繰り返された火山活動によって他に類を見ない驚異的な景観と生態系を生み出しました。
大自然が気の遠くなるような歳月をかけて造り上げた海中庭園を心ゆくまで優雅に満喫することは、Aqua Bluで東インドネシアの海をクルーズする最大の魅力と言えます。

マヌク島というバンダ海に浮かぶ火山クレーター島は、なんと海底から3,000メートルの高さがあり、今でも活動を続けるこの火山では海中の岩肌から火山ガスの気泡が湧く、ユニークなダイブ&シュノーケルスポットです。
さらにこのスポットを特徴的にしているのが、地球上で最大級の「ウミヘビ」の存在です。果たして見られるのかとドキドキしながら海に潜ること十数分、さっそく岩陰から顔を出す一匹のウミヘビに遭遇!
大きな動きをするとウミヘビを刺激をしてしまうので、興奮を抑えて静かに見守ります。(口がとても小さく、毒もないので人を傷つける事はありません。)人懐っこいのか目の前まで寄ってくるウミヘビもおり、エキサイティングなマヌク島シュノーケルでは最終的に18匹ものウミヘビに遭遇しました。
残念ながら私は会うことができませんでしたが、マヌク島の海底泉で体を温めようとサメもこの島に訪れるとのこと。Ring of Fireと呼ばれるにふさわしいユニークな火山での海中体験となりました。

 

Aqua Bluではダイビング費用もクルーズ代金に含まれています。
ダイビング・シュノーケルは毎日どちらに参加するのか気分で選択できるため、その日の身体や天候のコンディションで「今日はダイビングにしようかな」と決められるフレキシブルさも魅力です。
私は久しぶりのダイビングだったので最初は少し緊張していましたが、リフレッシュのレッスンも丁寧に行ってもらい、時間をかけてサポートしてもらえたので、最終的には乗船中6本のダイビングを楽しむ事ができました。
参加者をレベルごとに少人数でグループ分けするため、ストレスもなく安心です。

Aqua Bluのクルーは、みなインドネシアの島々出身です。植民地支配の歴史を学ぶ際に感じたことですが、インドネシアの人々は他者を受け容れることに長け、非常に共感性が高いです。その類い稀な器の大きさ・包容力は、Aqua Bluにおいてはホスピタリティとして、クルーの方々によって遺憾なく発揮されています。このクルーズの最大の魅力は、島々の雄大な自然や美しい海中庭園以上に、いつも笑顔を絶やさず朗らかで家族のようにもてなしてくれるクルーたちかもしれません。
一度乗船したら、きっとふたたびこの「家族」の元に戻りたくなってしまうはず。地球上の隠された秘境を、アットホームな船で安全に巡る…。Aqua Bluの家族と共に、冒険の海に出かけてみてはいかがでしょうか。

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