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8月 雨のアマンダリにて
2024.09.27
DESTINATIONS, HOTELS, ASIA

8月 雨のアマンダリにて

WRITTEN BY HIROSHI.K

8月下旬、アマンダリに泊まるべく久しぶりにバリ島を訪れた。
いかにも乾季らしい天候に恵まれたクタでの滞在から一転、ウブドに入った頃にはすでに雲行きが怪しくなり雨の滞在となった。

到着早々何人もの懐かしい顔ぶれが名前を呼んで迎えてくれた。レセプションを横切ってプールサイドへと向かい、いつもと同じ渓谷の風景を確認した。
この風景を一目見ようと最初にアマンダリを訪れた日から、何度癒され、エネルギーをもらって来たことか。
どこか懐かしくほっとする風景であり、アマンダリに来たことを実感する瞬間だ。

ホテルラッシュが続くバリ島にあって、新しいホテルが出来たと聞けば一度は足を運ぶものの、二度、三度と泊まるホテルは多くない。
勝手知ったる我が家のように過ごせるホテルはやはりアマンダリということになる。そういう意味ではゼッカ氏が掲げたコンセプトにすっかり収まってしまった一人かもしれない。

ふとした思いでスタッフに今までに泊まった記録を調べてもらったところ、初期のころの記録は残っていないらしく、2000年以降のものが残っていた。
2001年1月にルームナンバー31に泊まった記録が残っていて、当時の思い出が蘇ってくる。以降今回が8回目の滞在になるとのことだった。

1989年のオープンから35年が経過しているものの、アマンダリが醸し出す独特の雰囲気は色褪せるどころか、もはや次元を超えた存在感のように思えてくる。
行き届いたメンテナンスによって古さを感じることなく、洗練されたアマンの真髄を確かめることができる、もっともアマンらしさを感じることが出来る貴重なホテルだ。
”変わらなさ”を確認すべく、傘をさして敷地内を歩き回った。ヴィラの中のインテリアはもちろん、レストラン、バーのレイアウト、村の中を歩いているかのような敷地内の雰囲気は変わることなくところどころにあしらってある白いチューベローズの花もまた安心感を与えてくれていた。レストラン脇のガゼボでは、村の子供達が伝統舞踊の練習に明け暮れていた。
これもアマンダリのコンセプトに倣った当時から変わらない情緒の一つだ。

雨の日のアマンダリは、どこに居ても周辺の草木と茅葺屋根のアランアランに雨粒がしたたり落ちる音が心地よく感じられる。リゾートでは嫌われる雨も、アマンダリではむしろしっくりくるから不思議だ。
同じ場所を再訪する旅は、当時の自分を振り返る旅でもある。GMとの再会、そして懐かしいスタッフとの昔話に花が咲いたアマンダリの夜だった。
次に帰って来る日もそう遠くはないだろう。

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