magellan beyond immagination

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Oh My カサ・デ・ウコ!
2017.07.18
FOOD, DESTINATIONS, HOTELS, WINE

Oh My カサ・デ・ウコ!

WRITTEN BY HIROSHI.K

ワインを嗜むこともあって、ワイン産地に居を構える上質なホテルには以前にも増して目敏くなった。
美しい葡萄畑に囲まれた心地よいホテルと、その土地で造られたワインとの出会いを重ねるうち、いつからか自分の中ではこの種のホテルを”ワインリゾート”と呼ぶようになった。
そう、例えそこに透き通った青い海とホワイトサンドビーチはなくとも、最高のリゾート気分をもたらしてくれるのである。
そういう意味において、2年続けて滞在したアルゼンチン、メンドーサのカサ・デ・ウコは、今まで経験したワインリゾートの中で最も自分にとって相性が合う理想の一軒なのかもしれない。

カサ・デ・ウコのあるウコ・バレーは、メンドーサ市街から車で一時間半南下した標高1,300メートルの場所に位置し、アンデスの美しい山々に囲まれた35ヘクタールもの広大な葡萄畑と、その中心に佇むわずか16室のブティックホテルは、まさにワインリゾートと呼ぶに相応しい大自然の中の一軒宿。
前回の滞在は収穫の最盛期だったこともあり、緑鮮やかだった畑の風景も、今回の滞在は収穫を終えた5月下旬。葉が落ち枝だけになった畑の様子は少し寂しい気もするが、それでもウコの澄んだ空気と、この季節ならではの朝晩の冷え込み加減が何ともすがすがしく心地よく感じれた。

美味しい食事を抜きにホテルの良し悪しを語れないとするならば、ワイン産地にあるホテルはどこも素晴らしく、メンドーサのカサ・デ・ウコは言うに及ばずである。
すっかり虜となった料理メニューが、牛肉のアサード。アサードとは炭火焼の事で、赤身肉が特徴のアルゼンチンビーフの厚切りを炭火でじっくり焼き上げ表面は香ばしくパリパリに、中はしっとりジューシーに仕上げる。ソーズは使わず、シンプルに塩のみで食べることで炭火の香りと肉本来の旨味を楽しむことができる。

厚くカットした肉汁溢れるアサードを頬張りながら、地元産マルベックを口に流し込めばまさに至福の時。これだけで来た甲斐があるというものだ。マルベックは黒ブドウとも呼ばれるアルゼンチンを代表する品種で、タンニングが濃く、熟成に適したフルボディの赤ワイン。アサードがあったからマルベック造りが盛んになったのか、はたまたマルベック造りが盛んだったからアサードが生まれたのか・・・。ふとそんな事を考えたくなるほどの相性で、旨さこの上ないカサ・デ・ウコでの食のハイライトである。

日本からは最も遠い場所にある気に入りのワインリゾートは、通うには少々厄介だが、だからこそ有難味も感じられるというもの。
アサードはもちろん!あの風景と空気、そして何より仲間たちとの再会を楽しみに、来年の滞在は収穫真っ盛りの4月中旬にすることにしよう。

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