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ワインとの出会い、そしてワインと巡る世界の旅
2020.05.15
WINE

ワインとの出会い、そしてワインと巡る世界の旅

WRITTEN BY HIROSHI.K

ワインがどれほど旅に楽しみと豊かさをもたらしてくれていることか。
ソムリエでも専門家でもない自分にとって、ワインが人生を変えたと言えば少々大袈裟になるかしれない。ただ、ワインとの出会いが、今もって世界を巡る旅の奥行きを広げてくれていることは確かである。

2004年秋、弊社の古くからの大切なお客様がバーベキューパーティを開くということで、ナパバレーに招待してくださったのがはじまりだった。
「収穫を終えた葡萄の枝葉で焼く肉は、ほんのり葡萄の香が付いて赤ワインと良く合うんですよ。」何とも魅惑的な表現でお誘い頂いたのを今でもはっきり覚えている。
ワインと言えば、赤か白の2択しかなかった当時の自分にとっては、ナパバレーの意味など知る由もなく、このイベントに参加する為だけにサンフランシスコへと向かったのだった。

セントヘレナの小さなオーベルジュの中庭に集まったのは、お誘いいただいたお客様が経営するレストランのスタッフと、世界各地からこの為に来たというゲストの方々を併せて総勢30人ほどだった。そのゲストと共に今回の主役である6種類の赤ワインは、それまで見たこともない大きなボトル(後にアンペリアルと呼ばれる6リットルボトルだと知る)で、テーブルの上に神々しく横一列に並べられていた。愛好家にとって垂涎とも言えるラインナップには参加者から歓喜の声が上がるほどで、それらはワインコレクターでもあるお客様がこの日の為に集めたという貴重なセレクションだった。
当時はその価値も分らずワインを頂く事にいささか罪悪感を覚えながらも、その味わいを楽しませていただいたのが、人生におけるワインとの最初の出会いとなった。

オーベルジュのシェフによって焼かれた肉といただくワインの相性は抜群で、ランチタイムに始まったバーベキューパーティは、そのままディナーへと続き、散会したのは深夜。
美味しかったという味覚の記憶ではなく、それは感動的な経験として心に刻まれるほどエモーショナルな出来事だった。30代前半だった僕にとってのワインデビューは何とも贅沢で、あり得ないほど貴重なシチュエーションによってもたらされたのである。

ナパバレーが世界的なワインの産地だということを知ったのは、至極のバーベキューパーティから戻った後のこと。それからは下手の横好きでワインを飲むようになり、旅の仕事に高じてワイン産地に出向いてはワイナリーを巡ることに楽しみを覚えるようになっていった。
ワインと出会って間もない頃は著名なワイナリーへの憧れが強かったものの、今では造り手との出会いや、”マイワイン”とも言うべき気に入りのワインを見つけては、同じワイナリーに何度も足を運んだりといった旅を楽しんでいる。
とりわけ、生産量が少ないワイナリーや、造り手の拘りや情熱が感じられるワイナリーで過ごす時間は記憶に深く刻まれ、何より楽しく感じられるものだ。

そんなワインと巡る旅の遍歴は、ワイン好きなら誰もが憧れるフランスのボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュ地方から始まった。有名シャトーや村と畑を巡っては胸を躍らせ、本場ワイナリースタッフによるテイスティングに興奮した。
オーストラリアのバロッサバレーとマーガレットリバーは世間的にはニューワールドと称されながらも、それぞれの地域の特徴を活かして作られるワインのクオリティの高さには目を見張るものがある。とにかく広大で、最近訪れたタスマニアも含めて何とワイナリーの数の多いことか…。
ニュージーランドでは凝縮に富んだ豊かな果実味と凛とした酸のバランスが整ったセントラルオタゴのピノ・ノワールに魅了され、新境地を見た思いと共に、フランス以外のワインの魅力の虜となった。

南アフリカのステレンボッシュは、縁があってよく足を運ぶ大好きなワインカントリーだ。
地域品種であるピノタージュより、カリフォルニアにも引けを取らないカベルネソーヴィニョンやシラーズの凝縮された果実味があふれる赤が好きで、ウォーター フォード エステートは必ず訪れる一軒。ワインサファリと称してオーナー自らサファリジープのハンドルを握って葡萄畑を案内してくれた最初の出会いは何とも印象深く、その後もオーナーのケビンとは親しくさせてもらっている。
ポルトガルのドウロバレーではポルトワインの古酒を、スペインのマディラ島ではマディラ酒、シチリア島ではマルサラ酒といった地産ワインのテイステイングも楽しんだ。郷に入りては郷に従えの如く、名もないバルで地元の人に紛れて頂くのが旅の醍醐味となり、どれもこれもが忘れがたい思い出だ。

ナパやサンセバスチャン然り「食はワイン産地にある」というのが、旅の経験を通じて得た教訓で、イタリアのトスカーナ地方もそんな場所の一つだ。
歴史遺産とも言える修道院バディア・パッシニャーノに隣接するオステリア・ディ・パッシニャーノで頂いたアンティノリワインとのペアリングは素晴らしく、ユニークなオリーブオイルテイステイングも感動的な経験で是非もう一度行ってみたい場所。

そしてスペインのロンダで訪れた家族経営のラモス・ポールも記憶に残るワイナリーだ。ワイナリーツアーをそこそこに案内されたのは、ワインボトルと共にオーナー夫妻による手料理の数々が所狭しとテーブルに並べられた屋外テラスで、それはティステイングというよりもちょっとしたワインパーティだった。
陽気なオーナー夫妻はギターを片手にアンダルシア地方に伝わる歌を披露してくれ、ランチのはずがいつしか夕暮れ時に。ワインは人との出会いあり、時にその土地の風土や伝統、食文化を知るきっかけにもなる。広大なアンダルシアの田舎の風景を見渡しながら過ごしたひと時は何物にも代えがたい貴重な経験だ。

”ワインと巡る世界の旅”は、まだまだ継続中ではあるものの、縁があってアルゼンチンのメンドーサに小さなヴィンヤードを取得し、2017年からワイン造りを手掛けている。マルベックのホームグランドとも言える場所で、トライしているのはカベルネフランを主体にしたブレンドでOffbeatと名付けた。
一番最初に出会ったナパの果実味溢れたカリフォルニアブレンドは今も変わらない好みのスタイルで、目指すは南米のシュバル・ブラン!といったところだろうか。自分にとっての最高のワイン造りに夢を抱きつつ、これからも旅先で出会うであろうワインとワイン造りに関わる人たちにわくわくせずにはいられない。
差し詰め次はカナダのオカナガン辺りに行ってみようと思っています。

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