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二度目のルアンパバン
2017.01.12
PEOPLE, DESTINATIONS, HOTELS

二度目のルアンパバン

WRITTEN BY HIROSHI.K

年の瀬が迫る12月26日、ラオスのルアンパバンに向かうことになった。
目的は、ゼッカ氏が手掛けた新たなホテルブランド、アゼライに宿泊するため。
ゼッカ氏とは、1988年のアマンプリの創業を皮切りに、世界各地にセンセーショナルなリゾートを続々と展開させ、アマンリゾートを世界におけるスモールラグジュアリーホテルの代名詞とも呼べるブランドに育て上げた、エイドリアン・ゼッカ氏その人である。
今回は開業間もないゼッカ氏のホテルに泊まるだけではなく、彼にアゼライについて話を聞ける事も楽しみにしていた。そして、数週間前にシンガポールのパーティーで会ったゼッカ氏夫妻が、その際に交わした約束どおり、オープンしたばかりのアゼライで迎えてくれた。
古都ルアンパバンを訪れるのは今回が二度目。初めての訪問は、アマンタカが誕生した2009年のことだった。そして、そのアマンタカからわずか数百メートルの場所に出来たアゼライが、再びこの街に呼び寄せてくれた。いずれもゼッカ氏によって作られたホテルがきっかけだと思うと、何とも不思議なご縁を感じる。

市街地のど真ん中に誕生したアゼライは、2階建て全53室のゲストルームを持つラオス式木造建築が美しいホテル。
通りからホテルの全容は見えないものの、レセプションに一歩入れば、ナチュラル感漂うインテリアと配された家具の質感などから思わずアマンを連想してしまう。そして、中庭の中心にある黒く光る長方形のブラックプールと、プール脇に並ぶ白いパラソルとデッキチェアがより一層そんな思いを強くさせてくれる。表通りに面したレストラン”ビストロ”は、その名の通りホテルのダイニングというより、街中のカフェといった趣き。ルアンパバンの町の喧噪と雰囲気を感じながらカフェと食事を楽しむことができる。

ゼッカ氏にアゼライのコンセプトを尋ねると、「アマン程スペーシャスではないホテルで、アマンで培ったホスピタリティを提供できたらどうだろうか」との言葉が返って来た。
ここで過ごした2日間の体験を踏まえ、あえて表現するならば、アマンリゾートをコンパクトにし、カジュアルテイストに仕立てたようだと言えば適切だろうか。
我々に新たな選択肢を提案してくれたゼッカ氏。84歳を目前に、泉のように溢れ出てくるアイデアと、情熱に満ちたエネルギッシュなメッセージに対し、もはや敬意を表わす言葉も見つからないほど。グローバルチェンを目指すアゼライは、すでに2軒目以降のプロジェクトも進行中と言う。今後も目が離せない楽しみなホテルだ。