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ホワイトデザート 究極の南極旅行へ【後編】
2020.06.17
ACTIVITY, DISCOVERY

ホワイトデザート 究極の南極旅行へ【後編】

エンペラーコロニーのエクスカージョンから戻ったばかりのディナータイム。ペンギンの話題で盛り上がる中、キャンプマネージャーから明日南極点へのデイトリップを決行する旨アナウンスされた。
南極点を目指すエクスカージョンは、”エンペラー&サウスポール”と名付けられた8日間のプログラムのメインイベントなだけに、興奮が一気に高まる。
デイトリップと言っても、南緯70度に位置する”ウィチャウェイ キャンプ”から南極点までの距離は、およそ2,200キロ。ベイズラーBT-67を使っても途中の休憩と給油を挟むと、往復丸一日以上かかるアドベンチャートリップだ。
キャンプを出発したのは、1月17日午前8時。それは奇しくもイギリス人探検家、ロバート・スコットが南極点に到達したのと同じ日だった。

ウィチャウェイのランウェイを飛び立ち、まずはFD83と呼ばれる南緯83度の中継地点まで5時間のフライトだ。大陸の中心に向かって南下するに従い、外は白銀の氷原の風景から切り立った岩山の風景へと一変する。
フラットなイメージの南極大陸は実際には起伏に富んでいて、途中3,000メートル級の山々の間を飛び続け、やがて快晴の空の下FD83のポイントに滑り着いた。
FD83は飛行機への燃料補給とゲストの仮眠の為のテントが張られた休憩施設で、軽食の後氷原の上に張られたテントの中で6時間程度の休息。外は明るく時間の感覚が掴めないまま、午後10時半に再びベイズラーBT-67に乗り込み、南極点を目指した。FD83からは2時間程度で到着し、日が明けた1月18日午前2時半に南極点に降り立った。海抜2,800メートルの南極点は雲一つない晴天に恵まれ、気温は氷点下30度。ダイヤモンドダストが舞い、頬に触る冷気が痛く感じるほど寒い極寒の地だった。

到着早々、各国の国旗がはためく場所に向かって突き進んだ。南極条約に加盟する12か国の国旗に囲まれた中心に立つポールは、セレモニアル・ポールと呼ばれ南極点を象徴する存在だ。
立ててあった日の丸を手に取って記念撮影。何とも感動的な瞬間だ。その後は数百メートル離れた実際の南極点を表すジオグラフィックサウスポールを示した標識と杭の場所に移動し、南極点に居ることを実感してしばし感無量の思いに浸った。
大陸を覆う氷床は、毎年10メートルずつ移動している為、実際の地軸を示す杭は毎年打ち直すと言う。地球が持つパワーと不思議を感じたひとときでもあった。持参したパスポートに南極点到達の記念スタンプを押し、同日午前4時半に南極点を後にした。

”ウィチャウェイ キャンプ”に戻るとスタッフ総出で、シャンパンで南極点到達を祝ってくれた。温かいキャンプに戻れた安ど感と、旅の最大の目的を達成した充足感によって参加者一同ハッピーな様子。前半戦にハイライトを終えることが出来、後半は”ウィチャウェイ キャンプ”での滞在と、毎日のアクティビティを楽しむことに終始した。
南極滞在のベースキャンプとなる”ウィチャウェイ キャンプ”は大陸唯一のラグジュアリーキャンプである。ポッドと呼ばれるゲストルーム内は、ソーラーパワーによる暖房設備によって外気温に反して温かく、電源も取れるため充電も可能だ。
ダウンのブランケットが掛けられたベッドは、想像以上に温かく快適そのものである。シャワーこそ各ポッドにはないものの、メインハウスの共有シャワーブースを利用することができ、生活インフラが整っていない南極の環境を思えば十分過ぎるほどの居住空間だ。

パブリックスペースは、独立したダイニングルームとリビングルーム、シャワーブースがあるポッドのみ。そして、ダイニングルームでいただく3度の食事は、何と言ってもキャンプ滞在中の楽しみの一つだ。
南アフリカ出身のシェフが作る趣向を凝らした料理の数々は、とても南極とは思えないクオリティーで感動的!ディナーは取り分け印象深く、バラエティに富んだ南アフリカワインと共に飽きることなく毎日美味しく頂いた。
キャンプ滞在中は、もちろん全ての食事とドリンクが含まれたオールインクルーシブ。毎夕、アクティビティから戻ったカクテルタイムでは、デイリーカクテルとカナッペがサーブされ、1日を締めくくるには最高のひとときとなった。

前半にエンペラーコロニーとサウスポールへのエクスカージョンを終え、後半は”ウィチャウェイ キャンプ”を拠点にしたアクティビティをとにかく満喫した。
毎日のアクティビティメニューは、その日の天候とゲストの体力の状況を見て判断され、南極を知り尽くした国際ライセンスを持つプロのガイドによってナビゲートされる。
トレッキングポールやヘルメット、ハーネス、氷の上を歩く時にシューズに取り付けるクランポンといったギアはすべてキャンプに揃っていて、当日のプログラムに応じて必要な装備を身に着けキャンプを出発する。
キャンプ周辺の地形は変化に富んでいて見どころも多く、南極ならではのダイナミックなアクティビティを楽しむことが出来、8日間の滞在で全く飽きることはなかった。

吹き荒れるブリザードの中、ガイドとロープで繋がれながら氷上を歩き続けたアイスウォークと氷河の壁をアックスを使って登るアイスクライミングは、いずれも初めての体験。冒険心を掻き立てられ、スリルを感じながらやってみると心地よい達成感を味わうことができ、いずれも思い出深い経験となった。そして、最終日に敢行した氷河の丘陵地帯の間を流れているという”ブルーリバー”の景観を求めての8時間のトッキングは、滞在中最もアドベンチャーに満ちたトレッキングとなった。
岩山と氷壁をいくつも越え、やっとの思いで辿り着いた先に見ることができた光景は、白銀の雪渓の間に言葉では言い尽くせないほど美しい青色の光を放つ川の流れだった。
それは感動的な光景で、地球のダイナミズムを感じつつ、しばし氷上で過ごした特別な時間となった。

南極大陸の大きさは、オーストラリア大陸の約2倍で、その大部分が厚さ数百メートルから数千メートルの氷に覆われているらしく、そのスケールはもはや想像の及ぶところではない。過酷な環境ゆえ未知なる部分が多く、地球上で最もミステリアスな大陸だ。

南極旅行と言えば、南米大陸の先端からクルーズ船に乗り、ドレーク海峡を片道2日かけて行くのが一般的だが、ケープタウンからプライベートジェット機で5時間というのは実にユニークで画期的なサービスである。

ホワイトデザート 究極の南極旅行のシーズンは、例年11月末から年をまたいで翌1月末までの3か月間と短く、エンペラーペンギンコロニーと、南極点への渡航といった2つのハイライトを組み込んだ8日間のプログラムに加え、”エンペラーペンギンコロニーを訪れる6日間”、”ウィチャウェイ キャンプで過ごす5日間”そして”The Greatest Day”と名付けられた日帰り旅行の4つのトリップが用意されている。

毎シーズン、世界中から限られたゲストだけが享受できる想像を超えた夢の旅。参加したゲストにとっては、何物にも代えがたい究極のエクスペリエンスであり、生涯の宝物とも言える貴重な記憶となるに違いない。

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